終局までの Leela の判定結果を得る

Leela のメニュー『Analyze』『Analysis Window』と『Show Histogram』から,下図に示すような図が得られます。


上図に表示されている勝率ヒストグラムを見ると,最初の落ち込みを挽回した後,次の大きな落ち込みで逆転されています。

白の三々入りに押さえる方向が逆だった

白の高目に対する方針は,前回のハイライトで述べたように,
(1) 周辺に黒石を置いて,中に打ち込んだ石との連絡を図る。
(2) 白に外勢を与えても良いときは,中に入り込んで生きる。
左上では,上記の方針 (1) に従って,うまく打ったと思います。しかし,その後の左下において,白からの三々入りに対して押さえる方向を間違えました。
左側の「次の一手の棋譜並べ」で,「3子局」をクリックし,「2021-04-26  H. Saku ...」をクリックすると,棋譜の終局図が表示されます。そこで,手数窓 No. に「55」を入力し,「Jump」ボタンを押すと,下図のようになります。


Leela の解析棋譜を白「55」の時点にして,解析結果 Analysis - Score Estimate に示されている候補点の一つ( c4 )をクリックしてみましょう。 下図のように,候補点に打った後の想定展開図が示されます。
この図のように,左辺から押さえれば,上述の高目に対する左辺の連絡具合と相まって,かなりな地を見込める上に,下辺の白を攻める展開に持ち込むことができました。



しかし,上辺に打ち込んだ黒石が眼形を持ち,右上の白を攻める態勢ができては,再び優勢になりました。特に,下図で赤く輝いているあたりに眼が行けば,勝勢になるところでした。


黒石の安全ばかりでなく相手石の弱点を攻めるべき

左側の「次の一手の棋譜並べ」の手数窓 No. に「139」を入力し,「Jump」ボタンを押したときの棋譜を下図に示します。
下辺の白石は眼形をもっているので,その上にへばりついている黒石は左辺につながる必要があります。しかし,自石の安全ばかりを考えるのは敗勢を招きます。相手石の弱点を攻めながら,自石の安全を図るのが大事です。



下辺に打った黒「140」は,黒石の安全ばかりを考えた手でした。下図に示すように,黒「140」の代わりに,右上から中央に伸びた黒から黒 ① と白の切断を狙えば,勝勢を維持できました。これは,Leela が示した想定展開図でした。


結果的に,黒石の安全を目指した「140」以下の手順でも,この黒石全体は2眼作れないで死んでしまいました。少なくとも上図の黒 ① を打って,「下辺の黒は右上につながりますよ」と言えば,白「181」のところに黒石が来て,白「183」「185」によって眼をつぶされることは防げたと思います。